この記事は、私がFacebook広告を初めて自分で出した流れを備忘録としてまとめたものです。
今まで、クライアント様のFB広告用のLPは何度も制作してきましたが、自分で広告を出したことはありませんでした。ずっと広告を出してみたいと思っていたのですがなかなかできず、、、
ようやく実行できたので、数字も含めて赤裸々に書いてみました。
今、FB広告を検討されている方や、少し興味ある方などのちょっとでも参考になればと思います^^
※実際に僕が製作したクリエイティブなども載せているので、よかったら見ていってください。
今回の目的
なぜ、FB広告を出してみたかったのかというと、自分の集客のため…というのも薄っすらとありますが、どちらかというと「広告を出す工程を経験したかった」「出したときの気持ちを知りたかった」というのが大きな目的です。
僕はLP制作するお仕事が多いですが、FB広告で使用するLP(&バナー )のご依頼をいただくことが結構あります。
そんなときに、実際に自分でFB広告をやってみた経験があった方が、クライアント様との話もスムーズですし、身銭を切って広告を出す気持ちが分かった方が、制作に対する向き合い方も変わると思いました。
実際にやってみて思ったのは、やはり「知っている」「やっている」「できている」のは全然違うなということです。
なかなか面白い結果になったので、細かく書いていきます。
出すまでの準備・所感
今回、FB広告を出す方法を参考にしたのは、デジタルマーケッター松原ジュンイチさんが運営する「BMS」というマーケティングを学べるコミュニティー内での企画です。
「FB広告をやってみよう」という企画があったので、それを元に出稿まで参考にさせていただきました。
ざっくりとですが、ゼロからFB広告を出すまでの全体の流れをジュンイチさんのブログで解説されているので、興味のある方はそちらをご覧ください。見ていただくとわかりますが、結構めんどくさいです。笑
ジュンイチさんのブログの内容をさらに簡単にお伝えすると
目的の設定
↓
マーケティングフローの設定
↓
広告の目的を確認
↓
企画を考える
↓
オファーを作る
↓
広告クリエイティブの制作(LP・バナー・原稿等)
↓
各種アカウントの作成
↓
配信までの準備(計測用のタグの埋め込みなど)
↓
広告の配信条件設定
↓
広告審査
↓
広告配信開始
となっています。
他にも、戦略や業態によって違いますが、直接広告を出す工程には関係ないけど、マーケティングの流れとして準備が必要なことも多々あります。例えば、ステップメールの作成、フロントエンド販売用LP、バックエンド販売トークスクリプトなどなど。
また、測定をどこまでやるかによっても準備の量が変わります。例えば、アナリティクスの設置、ヒートマップの導入など。
実際に作業をやってみると、Facebookのシステム的なエラーが何度も起きたりして、本やネットの情報だけではなかなか難しかっただろうな、という印象です。
以下に広告の設定までの所感を箇条書きしておきます。
【配信までの所感】
・そもそもFB広告が事業において最適なマーケティング手法なのか見分けが必要。広告媒体には向き不向きがある。
・SNS広告の特性上、2ステップマーケティングをする場合、特に有効。
・PC操作に慣れていないと、各種設定はややこしいと感じる。FBのシステム的なエラーの対処が難しい(あと2回くらいゼロから出稿したら慣れそう)
・配信準備設定の利便性を考えるなら、LPはワードプレス内に組み込んでしまったほうが工数は減りそう。
・類似オーディエンスという機能のおかげで、ある程度、興味があるであろう濃いユーザーに広告が届く。(デジタルマーケティングの恩恵)
・類似オーディエンス機能を最大限発揮させるためにもメルマガはとても重要と再認識。
・広告審査も厳しくなっているようなので、クリエイティブの表現には注意。
・計測の設定をしっかりとしておかないと、広告の良し悪しがわからないので設定はしっかりと行う。
・広告の出稿方法はいくつかあるが、広告マネージャから出す。
広告配信条件・クリエイティブ
今回行った、広告配信条件を記載します。
予算:600円/日
広告をかけたもの:オプトインLP(メルマガ登録)
キャンペーンの設定:コンバージョン
配信エリア:日本
対象:現在のメルマガ読者の類似オーディエンス
広告設定:画像2種とメインテキスト2種をダイナミッククリエイティブで設定
●LP
こちらのLPです。
※広告で配信しているものと同じですが、別のURLで複製しているのでクリックしても配信結果には影響ありません。
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10日間の配信結果
1日の広告費は少ないので、10日ほど経過した結果を全て公開します。
本来、広告を出すときは、ブランディングやマーケティングの様々な角度から「なんのために出すのか」を明確にし、仮説を立て、どんなデータを今後どのように活用していくのか?をある程度決めた上で出す方が良いです。
しかし、今回の目的は「広告を出す工程を経験したかった」「出したときの気持ちを知りたかった」と設定しているので、一通りのマーケティングの流れは作ってありますが、長期的な広告戦略までは決めていません。
全体の数字と、クリエイティブごとの数字がどうなるのか?を見ることが目標の一つです。
広告の数字としてみていたのは以下です。
【1】リーチ:何人に流れたか?
┗広告が流れるオーディエンスの大きさ
┗ライバルや業界によって同じ広告費でも流れる数が変わる
┗配信ターゲットが狭すぎても流れる数が減る
┗対策:配信ターゲットを広げるor広告費を高くする
【2】インプレッション:何回表示されたか?
┗広告が流れるオーディエンスの大きさ
【3】フリークエンシー:1人当たり何回流れたか?
┗インプレッション÷リーチ
┗広告の飽きられ具合
┗目安は2.5と言われている※
【4】リンクのクリック:何回リンクがクリックされたか?
┗LPへの誘導数
┗クリエイティブの出来(広告テキスト・バナー ・見出し等)
【5】CPC(リンククリック単価):1クリックあたりいくらかかったか?
┗広告費÷リンクのクリック数
┗クリエイティブの出来
┗目安300円以内※
【6】結果:実際の制約数
┗重要の指標
┗広告とLPの出来
【7】結果の単価:1件あたりの獲得単価
┗最重要の指標
┗広告とLPの出来
┗目安1000円以内※
※目的や戦略等によって変わります。
実際の数字はこちら。
●全体
【1】リーチ:885
【2】インプレッション:1129
【3】フリークエンシー:1.28
【4】リンクのクリック:50
【5】CPC(リンククリック単価):113
【6】結果:22
【7】結果の単価:256
クリック率:4.43%
CVR:44%
●画像ごと
少し凝って作ったバナーのクリック率は4.13%、CVRは44.4%。
シンプルに作ったバナーのクリック率は5.43%、CVRは42.9%。
●見出し
ターゲットを絞る見出しの方は、クリック率は3.67%。
プレゼントを訴求にした見出しの方は、クリック率5.38%。
●テキスト
「まさか」の方は、クリック率3.6%、CVR47.6%。
「なぜ」の方は、クリック率5.3%、CVR41.8%。
●CTA
●その他
単純な「広告の結果」としては悪くない数字になりました。
LPやバナーを制作するものとしてはLPのコンバージョン率やバナーのクリック率が気になるところですが・・・
・LPのCVR(コンバージョン率)は44%
・バナーCTR(クリック率)は4.43%
となりました。
少し前のデータですし、日本のものではないのですが、一応参考として、
FB広告の平均のCVRは全ての業界で9.11%
FB広告の平均のCTRは全ての業界で0.89%
参照:Facebook Ad Benchmarks for YOUR Industry [2019]
と出ているものがあったので、客観的に見ても合格点と言えるかと思います。
広告を出した後の所感
実際には、広告の数字がよかったとしても、マーケティング全体として機能しているのか、ブランディングとしてズレがないのか、結果を元に今後の流れをどうするのかなど、色々な視点で「広告の成果」を観ていくことが重要です。
ただ今回は、細かい戦略などは考えずに「広告を出す」を目的にしていたので、今のところ、ここから積極的に改善して運用していくということはしません。(もう少し様子見で同じ内容で出稿は続けます)
以下に広告を出した後の所感を箇条書きしておきます。
【FB広告を出した後の所感】
・ブログやSNSのみでは新規でメルマガ読者になっていただくのは大変な時代になってきたので、小額からでも成果が現れるSNS広告は個人事業主や零細企業でも扱いやすいマーケティング手法である。
・ブログやSNSで人を集めるよりも成果がでるのは圧倒的に早い。(ただし、興味関心度合いはブログなどから来ていただいた方の方が濃い。メリット・デメリット両方ある。)
・広告費はかかるが、少ない労力・自動で見込み顧客を集めてくれる広告は有効に使えばとても良いマーケティング手法。
・小額でスタートしたとしても、ジリジリ経費はかかるので、バックエンドにある程度の価格帯のサービスがある方の方が使いやすい。(もしくは単価は安くてもLTVがある程度見込める方)
・実際にFacebookを見ているとかなり多くの広告がでていることがわかる。情報が乱立しているなかで、クリックしてもらい、さらにメルマガに登録していただく必要があるので、クリエイティブはやはり大事。(SNSは投稿がどんどん流れていき、一般ユーザーは興味関心が薄い状態でSNSを見ているので、パッと見の印象で登録するかどうかが決まるといっても過言ではない)
・広告を使う場合、クリエイティブの質が売上・利益により大きく影響する。
・長期的な運用を考えるのであれば、予め仮説を持ってクリエイティブを制作(A/Bテスト)したほうが、そのデータをもとに次の広告の精度をより高めることができる。(逆にあまり考えずに出すと、出てきたデータから読み取れることもあるが、仮説検証が少し難しい。細かいデータの読み取りをする場合は、FB広告の専門家の力を借りることを検討してもよいと思う。)
・FB広告はあくまでもマーケティング手法の一つであり、商品・サービスを売るためにはビジネス全体の設計は欠かせない。
まとめ
はい、いかがだったでしょうか?初めてFB広告を出した流れと所感をまとめてみました。
今回改めて、自分自身で体験することの重要性を知りました。知識としてFB広告の特性などは理解していましたが、実感することで、今後のクリエイティブを制作するときの考え方などに影響が出てくる感じがしています。
また、技術面に関しても、FB広告をやるときに必要なタグの設置などをゼロからやることで、より理解が深まりましたし、どうすればクライアント様にとってより利便性の高いサービス提供ができるのかを考えるきっかけにもなりました。
制作させていただく際も、計測に必要なタグなど、指定があれば埋め込む作業はもちろんしていまし、ブランディング・マーケティング全体のご相談にも乗れますので、お気軽にお声掛けくださいませ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!