映画《天気の子》考察・感想。僕がモヤっとした理由と本来のテーマを見つけた話

趣味

(C)2019「天気の子」製作委員会

新海誠最新作「天気の子」見てきました。

今回は、自分への記録として
簡単に考察・感想を書いていきます。

ただし、あらかじめ言っておくと
ネタバレも含みます。

まだ見てない方で、ネタバレは嫌だ
という方は、ここから先は読まぬよう
お願いいたします。

あと、もう一つ言っておくと、
映画を見て、その後いろんな方の
考察を見た上で書いていきます。

(自分の頭だけじゃ整理しきれなかったので)

最初の印象

映画を見てまず思った感想は

置いてけぼりにされている。。。

でした。笑

伝えるのが難しいのですが、
物語を一緒に追っていくというより、

新海誠の世界観やメッセージを見せられている

という感覚を僕は感じたんです。

その感覚を元に、
なぜ、自分がそう感じたのかを知るために
色々な方の考察を見ていきました。

新海誠は何を表現したかったのか?

まずは映画で新海誠が何を言いたかったのか?

僕がいろいろな方の考察を読んで
一番しっくりきたのはコレ。

「天気の子」のラストが納得できない人のためのネタバレ解説!

天気の子は一見ラブストーリー
のように見えるけど1番のメッセージは
そうじゃないような気がしました。

ラブストーリーという形だけで表すには
無理な設定ばかり詰め込まれていたから
だと思います。

ですが、このブログを読ませて頂いて
僕はしっくりきたんですよ。

ブログ内で書かれていますが、

最後の「東京沈没」というのは、
「東京に溜まった業(カルマ)の浄化現象」
なのではないかなと、僕は思いました。

この映画では、東京の汚い部分、
歌舞伎町、ヤクザ、風俗、ラブホテル街、
子供が苦しんでるのにそれを追い払う大人たちを、
散々描いてきました。

それらは、東京という土地に溜まった業(カルマ)であり、
それを最後に「沈没」という形で、全て清算したのです。

ー中略ー

「それほど、東京に溜まった業(カルマ)は重いんだ。」

という、日本の行く末を暗示したメッセージなのかもしれません。

あるいは、

「このまま行けばこうなる。
じゃあ、どうすれば、両方助かるのか?
この続きは、皆で考えてね。」

というメッセージなのかもしれません。

この記事を読んで、
あぁーそういうことか
と納得できました。

表面上はピュアなラブストーリー
のように見せているけれど、
(個人的にはピュアというより
狂気すら途中感じました)

それ以上に「何か」を
新海誠は伝えたかったのかなと
感じたんです。

その「何か」はおそらく上記の記事で
書かれているよう「現代人への問いかけ
だったのかなと。

そう考えると、あえてハッピーエンドにせず、
見る人の中に「モヤっと」を残した
新海誠はすごいなと思ったんですよね。

正直、今回の作品は作るの
とても大変だったと思います。

前作の「君の名は。」があれだけヒット
してしまったので、今回の作品は
注目を集めざるを得ない状況だった。

おそらく、新海誠がビジネスマンなら
「君の名は。」のように綺麗に
万人受けする内容を作ったはず。

その方が新海誠のブランドを
もっと一般的に確立できたと思う。

でも、あえてズラして、
メッセージ性を出してきた。

正直なところ、天気の子は
多くの人が見た直後に

「良かったー!」

と、言うような作品ではないと思う。
(映像美や音楽だけ受け取るなら
良かったと思う人も多いと思うけど)

新海誠自身もそれは分かっているようで
賛否両論分かれる作品を作ったと
言っていたようです。

万人受けをあえて狙わずに、
自分の表現したいことを出してきた。
そんな印象を受けました。

まだ残るモヤっと感の実態

ただ、僕はそのメッセージ性を理解しても
まだ「モヤっと」が残ったんですよね。

そこで参考になったのがこのブログ

映画『天気の子』ネタバレ感想&考察! 評価の別れそうな新海作品最新作が訴えたかったものは何か、過去作品も踏まえて解説します

このブログ内で書かれている

脚本構成の雑さ

という部分。

ブログ内にかかれているのですが、

「今作はグワングワンと揺れ動く荒波。
まるで嵐の時の高波みたいな物語構成。
それがものすごく歪なんだよ。
その物語構成や、そもそもの結末の歪さも監督も理解しているはず。
だってパンフレットに『オーソドックスな物語から外れる』と書いているからね」

「でもきちんと盛り上げポイントとかはあったじゃない」
「でもそこに繋がるロジックがないというか、
伏線の貼り方も回収も雑だから全部ご都合主義に思えてしまうんだけれど、
でもそれを感じさせないようにカバーしている点もある。
それもまた批判ポイントなんだけれど……楽曲の使い方なんだよね」

この部分、めちゃくちゃ共感できました。

東京という、いつも見慣れている町にも関わらず、
細かい設定や伏線回収が雑。

場面はリアルなのに、
設定がリアルじゃない
チグハグ感。

無理やりな設定を見せられている
感じが強かった。

ただ、やはり映像美と音楽は
単体で見るとすごく良かった。

特に花火のシーンは特に個人的に好き。

花火を見上げる映像はたくさんあるけど、
花火の中を浮遊する映像なんて
初めて見ましたもん。

その発想、天才か!!と言いたくなりました。

しかし、ちょっと引っかかったのが
メインの箇所である
帆高が陽菜を迎えに行くシーン。

その映像美と音楽はとても綺麗だったし、
盛り上がっている感はすごくあった。

けど!!!

それが返って、

一般大衆向けに無理やり
そのシーンを作りました感

を個人的には受けてしまった。

せっかく、あえて王道をズラして、
メッセージ性の強い作品にして
ウケる人にはウケる良い映画

になるはずだったのに、

その部分だけ「君の名は。」が
ヒットし過ぎたことによる

大人の事情で盛り上がり部分を作りました感

を僕は感じてしまった。

他にも所々、大人の事情が見え隠れする
シーンがあったんですよ。

個人的には「君の名は。」の
瀧くんや三葉、四葉の登場や
企業などがバッチリ映っている
ところなどでもそう感じてしまった。

大人の事情感を受け取ってしまい
ちょっと冷めてしまったんですよねぇ。
僕だけかもしれないし、実際そうでも
しょうがないことなんですけど…

葛藤こそが今回のテーマだったのかも

なぜ、僕は冷めてしまったのか?
もう一つ参考にさせてもらったブログです。

天気の子・帆高の読んでいる本は何?なぜ家でしたのかについて考察

劇中の最初の方に「小説」が
かなり印象的に映っていましたよね?

その小説は「ライ麦畑でつかまえて」という
小説だったのですが、この小説は主人公が

「子供の夢」と「大人の現実」の狭間を葛藤する物語

のようです。

新海誠の映画って、全体的に
このテーマがあると思っています。

だた、今、書いてて思い付きましたが、
今回の「天気の子」自体が

「新海誠の葛藤」

を表しているのではないかとも感じました。

前作の「君の名は。」のヒットは
恐らくクリエイターとしては
100%喜べるのか?というと
そうじゃないと感じます。

僕自身、新海誠作品は
色々見てきていますが、

「君の名は。」を最初見たときには
新海誠っぽくないなと正直感じてしまった。

今までの作品とは違って、
当てにきた映画だと思ったんですよ。

でも、新海誠の本心はどうだったのか?

今回の「天気の子」では以前までのように
クリエイターとして表現したいことがある。

けど、「君の名は。」による期待があるから
大人の事情も考えて作らなければならない。

「天気の子」はまさに、新海誠の葛藤が
映像になって表現された作品なのではないか?

と僕は感じました。

主人公の帆高の暴走と
須賀圭介の大人の意見
この二人の存在自体が新海誠の
葛藤そのものだったのかも。

僕の感想のまとめ

さて、まとめます。

見てすぐ感じた感想は

・置いてけぼりにされている
・新海誠の世界観やメッセージを見せられている

というものでした。

なぜ、僕はそう感じたのか?

その理由は、

新海誠が伝えたい強いメッセージと

大人の事情による

本人の葛藤のチグハグな部分を
映画全体で感じられてしまい、

映画で物語を見ている、
という感覚ではなく、

新海誠自身を見せられている

という感覚を得たからなのかもしれない。

ということに落ち着きました。

なんて言うんですかね、、、
観客からの共感をあえて狙わずに、
自身の想いを思いっきり打つけてきた。

メッセージ性も、大人の事情も
全て含めてトータルで「天気の子」
として表現したのではないか?

だからこそ、

・置いてけぼりにされている
・新海誠の世界観やメッセージを見せられている

というモヤっと感を僕は感じたのかな
と、自分の中では納得できました。

まぁ、実際のところは
どうなのかわかりませんし、

今回の記事を書いたのは、僕自身が感じた
「モヤっと感」を言語化してみたかったのが
理由なので話半分で読んでいただけたら
うれしく思います。笑

あなたはどう受け取りましたか?

お読み頂きありがとうございました。